top of page

愛宕山の植物 - 樹木編

イチョウ

 銀杏、公孫樹、鴨脚樹。イチョウ科イチョウ属で中国原産の裸子植物。学名Ginkgo biloba。葉は幅があるが針葉樹。イチョウ属は古生代末期を起源に中生代に広く繁栄し、その中の1種、イチョウだけが生き残った生きた化石で、絶滅危惧IB類に指定されている。
 イチョウが多く植樹されている場所は、日本では1位が寺社、2位が大学・学校ですが、世界的には1位が公園、2位は日本と同じで大学・学校です。この違いは、イチョウが仏教の伝来に伴って日本に持ち込まれ、布教活動と共に全国に広がったという歴史的経緯を物語っています(十亀好雄, 1984)。確かに愛宕山でイチョウが植わっているのは鷲尾愛宕神社、観音密寺、音次郎稲荷神社。

イチョウ(音次郎稲荷神社1)
イチョウ(音次郎稲荷神社-2)
観音密寺のイチョウ
イチョウの乳
イチョウの実1
イチョウの実2

イチョウ(音次郎稲荷神社-1)
愛宕山にはイチョウは数少ない。これは音次郎稲荷神社境内の樹齢250年を超える雄株。保存樹。

イチョウ(音次郎稲荷神社-2)
屋根を貫いているので、たまに屋根を広げているとのこと。
この樹を抱くと「"気"を貰える」との言い伝えがある、隠れたパワースポット?

イチョウ(観音密寺)
観音密寺本堂の脇に生えている雄株。1987年(昭和62年)に本堂が火災で消失したが、イチョウは生き残り、その際の焼け跡が残っている。

イチョウの乳
イチョウの巨木に垂れ下がっている乳根(ちちね)で、長らく気根と考えられてきたが、根にも枝にも変化することがあり、古代の植物の特性であった担根体の名残ではないかとの説が唱えられている。しばしば安産・子育ての信仰対象に。写真は観音密寺の雄株。

イチョウの実1
鷲尾愛宕神社の門の脇に生える雌株の画像。愛宕山にはイチョウの樹は4本しか生えていない。残りの1本は愛宕神社の境内に。

イチョウの実2
実は熟すと黄色に。異臭があるが、中の種はギンナンとして食される。

© 愛宕の森と緑を守る会

bottom of page