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愛宕の森と緑を守る会
愛宕山の植物 - 樹木編
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キリ
桐。キリ科キリ属の広葉落葉樹。学名 Paulownia tomentosa。英名princess tree。以前はゴマノハグサ科、あるいはノウゼンカズラ科に分類されていた。原産は中国で、飛鳥時代に渡来したといわれていて(不明との説もある)、栽培で広がり野生化している。蕾ができてから9ヶ月後の4~5月に、釣鐘状で淡紫色の花が枝の先端で房状に咲く。アオギリは全く別種(アオイ科)。
伝説の鳥、鳳凰はキリの木のみに止まるとされ、高貴な木のイメージがある。日本国政府の紋章としても使われ、パスポートや五百円硬貨のデザインにもなっている。
キリの果実は 4 cm ほどで硬く、中にはフリル状の羽の付いた種子が大量に入っている。冬から春にかけて果実が2つに裂け、そこから種子が徐々に風で飛ばされていく。
キリは成長が早く、10数年で用材として使える。軽くて木目が美しいだけでなく、防湿、抗菌、保温、難燃性、腐食に強い、狂いが少ないなどの優れた特徴があり、桐箪笥などの高級家具、あるいは下駄や箱などの日用品としても用いられている。昔は女の子が産まれるとキリの苗を植え、それで嫁入り道具を作るという風習があった。樹皮は染料に、葉は除虫に用られた。
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