愛宕の森と緑を守る会
愛宕山の植物 - 樹木編
■
オオイタビ
大崖石榴。クワ科イチジク属。学名Ficus pumila。東アジア南部に分布する常緑つる性木本。雌雄異株。茎から気根を出して樹木や岩を這い上がる。花は5~7月だが、イチジクと同様、花嚢の内側につくため(隠頭花序)、直接見ることはできない。花嚢は雌雄同型で秋になって熟すと紫色に。葉や茎を傷つけると白い汁が出るのもイチジクと同じ。葉の裏側は葉脈が飛び出ているため、でこぼこしている。イタビカズラに良く似ているが、オオイタビは葉先が丸みがかっているのに対してイタビカズラはとがっている。幼木の葉は丸みがあり成木の葉と比べて極めて小さく、ヒメイタビによく似ている。
大崖石榴。クワ科イチジク属。常緑つる性木本。雌雄異株。茎から気根を出し、岩、樹木に付着する。茎が立ち上がって葉が成葉になると長さ5-9 cmの大きさになる。
オオイタビの結実
実(花嚢)は雌雄とも同じ形をしている。
オオイタビの熟した果実(花嚢)
実(花嚢)は雌雄とも同じ形をしている。径4~5cm程度。
受粉前のオオイタビの実
花はイチジクと同じように、花囊の中にあって外からは見えない。この構造は隠頭花序といわれる。先端の穴に近いところの白いのが雄花。奥にあるエンジ色の小さな粒の一つ一つが雌花。
受粉後のオオイタビの実
受粉すると雌花が大きくなる。受粉は他のイチジク類と同じように、イチジクコバチによってなされる。雄花嚢の先端側に白い雄花(熟すとピンク色)が、茎の側に茶色の退化した雌花が分布する。
オオイタビの幼苗
岩を這っている姿と、立ち上がって樹に伝っている姿とがあまりにも異なるので、別種かと思ってしまう。
オオイタビの幼苗の葉
石垣や崖をはってる間は葉は小さく、大きさはせいぜい1cmで、ハート形に近い形をしている。
ヒメイタビの葉(参考)
オオイタビの幼苗に良く似たヒメイタビ。ヒメイタビには切れ込み(欠刻)のある葉が混じる。また、茎には毛が密集している。これらがオオイタビとの違い。(K氏提供)